毎日

今日も東北にいく

確かに震災当時とくらべたら回数は減った

でも
東京にいる時も
どこにいる時も
いつも東北にかかわることを

打ち合わせでも

講演会でも

いつも東北がある

福島が東北か?という気持ちは前からあった

関東?

でも今となっては福島は”福島”だ

特別な場所となったんだ

昨日は宮城にいた

そこで
今、起きているたくさんの問題を知った

今日は福島にいる

そこでもたくさんの悲しみを知った

どうしようもない
悲しみを

月日が経って
悲しみは増すばかり

東京にいても
現地に行っても
忘れ去られる事ばかり、一生懸命生きている被災者とサポートし続ける人々

自分には誰一人救う事は出来ない

それは随分前から知っていた

ロウソクを作り始めた時から

広島、長崎を知った時から

かなしいテロがおきた時から

アフガニスタンへ報復攻撃をした時から

新潟の中越地震があった時も

自分は誰一人救う事は出来ない事を知っていた

ただそのひとつひとつを
そのひとりひとりを灯す事は出来る

その悲しみのひとつひとつを灯す事はできる

震災以降できる事全部やると
やったつもりでも
やっぱり誰一人救う事はできなかった

でも
こうして今でも通い続け
かなしみの中を生きる人たちにむかえられている自分は

悲しんでいる暇がない

ひとつの手紙を書くだけで
本当にありがとうといってくれる人がいる

また来てくれたと喜んでくれる人がいる

悲しみを背負ってしまった人を救えるのは悲しみを知る人だけだ

自分は悲しみは知らないし、救う事はできない事を知っている

それでも

その
ひとつひとつを灯していきたいと思う

自慢したいんだ

そこにいるひとりひとりを

これまで出逢ってきた悲しみを知る人を

自慢したいんだ

本当にすべての人に伝えなければいけないことを自分は知っている

だから悲しんでいる暇はない