ヨーロッパへ at CLASKA
ヨーロッパへ
アンダーカバーのパリコレクションに参加するためパリへ
初めてのヨーロッパ
わがままを言ってパリに入る前にロンドンに行かせてもらう
ロンドンで起きた同時多発テロの現場に行きたかったからだ
スケジュールがあまりなかったので多くを知る事は出来なかったが
キングスクロス駅やバス爆破現場等をまわった
ひどい事件であったはずだがすでに現場に慰霊碑や花などは無く
忘れ去られているようだった
現地で教えてもらったのだがあの事件の後 駅周辺のテロ対策は強化された
駅にいたブラジル人が射殺されるという事件も起きた
ビザがきれていたためその場を逃げたのだがそれだけでの理由でも射殺された
その現場にも行ったところちょうど遺族がブラジルからやって来ていた
ひとつのテロからまた新たな悲しみが生まれている
悲しみから憎しみに変わり新しい悲しみが生まれる
あのテロから人は何を学び事件の原因の憎しみをどう解決できたのだろうか
バスの事件現場の向かいの公園でロウソクを灯す事にした
現場には幾つかのロウソクの残りと枯れている花がわずかにあるだけだった
公園に入るとHIROSHIMAの文字が目に入った
それ以外にも世界の平和のための記念樹や石碑があった
そしてその公園の中央にはガンジーが座っていた
発見したその時ここで灯そうと思った
実はこの旅に出る前の晩に映画のガンジーをみていた
事実と映画がどうであるかわからないけれど
彼ほど世界中に実践的に平和な道を説いた人は居ないのではないだろうか
彼に呼ばれてここロンドンに来たのだ、そんなふうにすら思った
ただ同時に悲しかった
ガンジーの銅像の見ている先の道路でバスのテロは行なわれた
なんと愚かな恥ずかしいことか
とはいえ自分もその地では無力で少しばかりのロウソクを灯したものの
そこでゆっくり祈る事も許されずに夜には公園から出された
ロンドンからパリへの電車から見る風景は穏やかで
中国での電車の旅を思い出した
パリに到着するといきなり仕事モードとなった
ショー本番までひたすら彫刻する
アトリエに泊まらせてもらい可能な限り彫り続けた
アンダーカバーのスタッフや現地スタッフは皆良い人達ばかりで
パリ滞在は不自由無く楽しい時間となった
滞在中にコレクションだけでなく白夜の夜やデモやストがあったりで
たぶん特別なパリだっただろう
ロンドンもパリも全てが新鮮で刺激的でした
なにかにつけアメリカが大きい存在でしたが
これからはもう少しヨーロッパの国を学んでいきたいと思いました
JUNE