いつの日か出逢える日まで

 

悲しみがいっぱいとなり
涙にして流すこともできず

 

もう生きる事を終わりにしたい

 

憎しみがあふれ

どこにもぶつけることができず
どうすることもできない

 

もう終わりにしたい

 

 

誰かに悩みを打ち明けてみても

 

やはり

だれにも理解されないとあらためて気づかされただけ

 

そして
しずかに
終わりを考えている

 

 

 

あなたたちにかける言葉を知らない

 

自分もそのなかの一人だ

 

自分もかつてそうだった

 

そんな言葉ともちがう

 

 

ただ

 

長い夜をひたすらに絶えてほしいと願う

 

多くの人が当たり前に寝ている夜を

 

 

もしかしたら

自分を苦しめている人が幸せな夢を見ているかもしれない夜を

 

もしかしたら

同じように苦しみ眠れないでいる人がいる夜を

 

悩み苦しむ事が当たり前ではない事だと知れる夜を

 

そして

最後の朝日が

どんな朝日だったのかをいつか出逢った時に教えてほしい

 

たくさんの眠らない夜をすごし

 

自分の

”生きる”

のための火を灯して来た

 

 

震災が起きてからは

何度も
深い夜とともに車で東北へ走った

 

 

津波でぐしゃぐしゃになった場所でみた朝日

海の音しか聞こえない暗闇の海で夜を過ごした

 

誰のいう事も信じない

 

神様もいない

 

何度も特別な夜を過ごせば

 

深い雲に覆われたままの朝やもちろん雨の日もある

 

自分がどんな夜を生きたか

 

それに答えをくれるのが朝

 

今日という特別な一日を生きたのか?と夜は問う

 

こんな特別な夜を過ごしたお前は

今日という一日を特別な一日にしろと太陽は言う

 

 

夜中泣いたお前の涙はまだ足りないから

もっともっと泣いてやるぞと雨の朝は泣いてくれる

 

どんなに孤独だと感じていても

 

空をみたらいつでも

答えをくれる

 

同じ空でもそれぞれにきっと感じ方はちがうはず

 

どんなに悲しい事があったとしても

 

夜に終わりにしないでほしい

 

 

最後に最高の朝日をみてほしい

 

どんな人の言葉よりもきっと

 

暖かいものだと思うから

 

 

最近の東北で迎える自分の朝は

 

「生きるという事は素敵だな」

 

と言っていてくれている